冠光寺流柔術本部
私は保江邦夫先生から何を得たか
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 自分は保江先生から何を得たか

               谷口 光弘

 保江先生ありがとうございました。


   自分の誕生日に無理を言って保江先生に愛魂揚げをしていただいたこと。

 保江先生のベンツが駐車場に到着した時に感じる軽い緊張感と高揚感。

 何リットルも何リットルも流し続けた汗。

 稽古開始挨拶時の保江先生の皆を見渡す鋭い視線。

 冬になると不思議と暖かい野山武道館の床面。

 突然、大きな十字架を道場の壁に掲げられた時の驚き。

 道場に迷い込んだテントウムシを師範代が大きな身体を屈めてそっと逃がしてあげていた光景。

 道場の片隅で撮影されていた保江先生のまさに『奇蹟』としか言いようのない技の数々。

 『娘さんがいるなら絶対に愛魂を掴むことができる』と年下の姉弟子に断言された時の驚き。

 なぜ岡山まで通うのか解らないまま、それでも通い続ける自分。

 フランス製のスクーターに乗って駐車場を走り回る保江先生の笑顔。

 忘年会の楽しさ。

 初段の黒帯を拝受させていただいた時の嬉しさ。

 何百回と目にした野山武道館の天井。

 夏の日、皆で車座になっていただいたマスカットの味。


 すべてが懐かしく、また、ありがたいです。


 保江先生ありがとうございました。本当にありがとうございました。

                                   (2017/ 3/29)